理事長所信
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![]() 第42代理事長 勝山 修二 所信 幸福(しあわせ)追求 ~多様性と開放性を持って夢を描こう~ |
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- 【はじめに】
- 「幸福」とはいったい何でしょうか。
幸福について、人は目先の環境に振り回されるのをやめ、すべては本質が空しいとかみ砕き飲み込み、精神的落ち着きを得るべきです。世俗的な幸福の源泉を人のあり方・人の有するもの・人の印象の与え方に大別できると考えます。
私自身、あまり感情の起伏が激しくなく、感情を表情に出すこともほぼありません。何を考え、何を思っているのか分からないと親しい友人には指摘を受けます。しかし、それが私であり、冷静な判断こそが自分の幸福のエントランスだと考えます。
幸福とは絶対的に人の中にあり、更には人と人の関わりや繋がり、コミュニケーションの中にあるのだと私は考えます。田村圏(田村市、三春町、小野町)は住みやすい、けれど何が不足しているのでしょうか。自然も豊かで伝統ある文化や芸能もある。しかし田村圏に暮らす責任世代が知る機会がありません。
趣味や娯楽の内容や対象物で楽しみは生まれます。楽しみ=幸福とは行かぬまでも、楽しみが活力となり、幸福のエッセンスになることは間違いないはずです。 - 【想いを拡げる会員拡大】
- 青年会議所は40歳で卒業を迎えます。新型コロナウイルスが猛威を振るい始めてから私たちの事業や運動・活動が制限されることが増え、少しずつ緩和はされてきましたが、同じ志を持つ人たちとの交流や私たち青年会議所の想いを発信する機会が以前より激減したのは間違いないです。コロナ禍になり会員拡大を率先して行うことができず、卒業を迎える会員ばかり増える状況が続き年々会員数も減少し、さらには入会歴3年未満の会員数が3分の1以上を占めます。これまで先輩方が築き上げてきた田村青年会議所の伝統、想いを繋げ、この地域の未来のために同じ志を持った仲間を増やすことが重要だと考えます。
正直、私自身青年会議所に入会したときは他の会員と同じ志を持っていた訳ではありません。しかし、仲間とより良い地域にするために運動を続けることによって自己意識や責任感を段々と成長させることができ、今では同じ志を持つ仲間と共にこの地域をより住みやすい場所へ発展するよう尽力することに夢中になっています。また、現在田村青年会議所の女性会員は2名と、世の中の男女比として考えてもかなり低い状況です。現代、女性の社会進出は重要でこの田村を共に盛り上げる女性が増えれば、新しい観点からより良い地域発展へと導くことができると考えます。これからの時代をより良い地域に、そしてこの地域を担う子供のために私たち責任世代がこの想いを繋げるべく、ジェンダーフリーへの意識改革を推進し、共に自己成長できる、切磋琢磨できる仲間を増やしてまいります。 - 【世代を超え一丸となるまちづくり】
- 過去最大級の居住満足度を目的とした民間会社の調査によれば福島県に住む20歳以上の男女7506名を対象に調査を行った結果、「街の幸福度(自治体)ランキング」1位は「本宮市」。2位は「西白河郡矢吹町」、3位には「いわき市」という結果となっています。
〔「街の幸福度ランキング」は、2019~2022年の回答者数50名以上の自治体を対象として集計したもので、幸福度の評点は、非常に幸福だと思う場合を10点、非常に不幸だと思う場合を1点とする10段階の回答平均を100点満点にするために10倍したもの。(大東建託株式会社賃貸未来研究所『街の幸福度&住み続けたい街ランキング2022』参照)。〕
わたしたち田村圏は…10位以下。10位までのランキングのみ公表されているがこの結果に納得してしまう私もいました。田村圏の住みやすさは、他の市町村と比較しても申し分ないと思います。しかし住みやすさ=幸福ではないようで、どうして様々な要素が幸福度に繋がると考察できたのでしょうか。今この地域に何が求められ、何が満たされれば幸福なのでしょうか。
昨今、人口減少による過疎化が進む中、追い打ちをかけるかのように新型コロナウイルス感染の拡大により人が集まる機会が激減しています。昔からあった地元の祭りなどの開催が難しいのが現実で地域の楽しみが無くなってきています。それに伴い地域での人間関係が希薄化しています。私たちが幼少期経験した子供から大人まで一緒に楽しめる事業が今の時代にも必要ではないかと感じます。
また、磐越東線では「小野新町~いわき」区間が赤字路線となっており、廃線となるリスクを抱えています。これを踏まえて私は人生初、磐越東線上り線「小野新町~いわき」区間を体感し、区間の素晴らしさや不便さなどを実感しました。県内の中枢都市を結ぶ交通機関として長年私たちの生活を支えてきた路線の魅力を見直し、田村圏はもちろん、福島県内外に発信する責務を感じました。
この地域に住み暮らす幅広い世代が一つになって自分たちの地域を盛り上げて行こうと行動に移せば、必ず自分なりにこの地域の良さに気付き、この地域を愛し、幸福を感じることができるでしょう。
誰かがやってくれるから。ではなく、一緒にやりたいと思うことができる、多様で開放的な組織を意識し、地域の方々を巻き込み、一丸となったまちづくりを目指してまいります。 - 【幸福を共有できるひとづくり】
- 近所を子供と散歩していてすれ違う人に挨拶をした時、返事をしてくれなかった。そんな経験をしたことはないでしょうか?私は非常に違和感を覚えました。子供は当たり前に挨拶ができるのに、その習慣は一体いつから変化してしまったのでしょうか。私自身もコミュニケーションスキルが高い方ではなく、人見知りで、口数も少ないので勘違いされやすいです。それを自分の短所だと感じていて、常に改善したいと思っています。自分の想いを言葉にすることは得意不得意があると思いますが、立場で人を分別するのではなく分け隔てなく交流できる子供の感性のまま、大人同士も関係性を築けたら面白いと考えます。いつ、何時も大人が正解ではないはずです。
日本が直面している問題の一つ、「少子高齢化」。総務省の調査によれば、2010年には23.0%であった65歳以上の人口が2060年には39.9%までに増加することが見込まれています。その一方で、2013年には7,901万人だった15~64歳までの生産年齢人口は2060年に4,418万人まで落ち込む可能性があります。少子高齢化が進む状況で、国はいかに労働力人口を確保していくのかは重要なテーマです。
これは私たちの住むこの地域でも他人事ではありません。1980年には82,064人だった田村圏の人口も40年後の2020年には62,127人まで減少しています。この地域の将来を担う子供の人口を増やすことは難しいかもしれませんが、今この地域に住み暮らす子供が一人でも多く、将来地元に残って地域を盛り上げる存在に成長できるよう、私たち責任世代が改めて、大人と子供が共に幸せを感じられる地域づくりをしなければなりません。そうすればUターン、更にはIターン人口の増加にも繋がると考えます。
ひとづくりとは人財への投資です。この地域の今の当たり前を覆し、大人の当たり前、子供の当たり前をお互い理解・尊重し合い、この地域に住み暮らす全ての世代が信頼し、身内のような付き合いができ、一人でも多くの方が幸福を感じられる地域を目指します。 - 【誰一人取り残されない組織づくり】
- 私たちは「奉仕」「修練」「友情」という三信条のもと、「明るい豊かな社会」の実現を目指す団体、それが青年会議所です。
1949年、「日本はこの先どうなるのだ」という今以上に混沌とした戦後の時代背景の中、全国各地で同じ志を持った若者が立ち上がり、青年会議所運動は始まりました。この田村圏も私たちの先輩方が奮起し、1982年10月に田村青年会議所が産声を上げました。そして今もその想いは引き継がれ、地域の為に今の時代、何が大事で何が必要か、同じ志を持つ仲間と共に時間を共有し、悩み、その先の「明るい豊かな社会」実現へ向けて日々運動・活動しています。まさに私たちが目指す三信条です。
近年、経験が浅い会員の割合が増えています。せっかく入会してもなかなか参加が叶わず毎回出席するのは決まった人ばかりで、例会なども出席率が低いのが現状です。先ずは私たちの組織の一人ひとりが幸福を感じ、周りを巻き込めるような存在とならなくてはなりません。お互いを尊重し合い、理解することも大事でしょう。この地域に必要とされるリーダーとなる人財を育成すべく、強固な組織づくりを推進します。その為に会員一人ひとりの機会を実りある、共に成長できる機会の提供となるよう心掛け、参加したくなるような場を設け、同じ想いを共有します。 - 【さいごに】
- 田村青年会議所は、先輩方が「田村は一つ」の想いを掲げて42年目となります。2024年には17年ぶりに福島県の各地域からの出向者で組織している福島ブロック協議会主催によるブロック大会を主管します。これからさらにこの田村圏を盛り上げるための一助となると確信しています。そのために昨年から「たむら愛郷祭」をこの地域の継続事業とし、開催させていただきました。
私たちが住み暮らす田村圏も同じくコロナ禍による影響をはじめ、度重なる災害などにより経済は打撃を受けています。また、従来からの少子高齢化や人口減少により地域活動を活発に行う方が減少しています。
「たむら愛郷祭」では多くの来場者が田村圏を訪れ、田村圏の食と文化を堪能していただきました。この田村圏にある食や伝統文化など地域の誇れる魅力を掘り起こし、磨き上げる事業を地域の皆様とともにつくりあげることで「たむらが好き」という言葉も聞かれ、たむら愛が芽生えた事業となりました。また伝統文化の掘り起こしもでき、新たな田村圏の魅力発見にも繋がったと思います。今年度は趣向を変え、子供からお年寄りまで楽しめる事業の開催など求められているのではないでしょうか。
この地域の全ての世代の人々が幸福と感じられることができる田村圏にできるよう、邁進してまいります。